医療法人社団 鴻愛会さんについて教えてください。
新純一さん(以下、新): 鴻愛会は、超高齢社会における地域包括ケアを支えることを基本理念に、医療と介護を統合的に提供しています。医療事業は、埼玉県鴻巣市にある「こうのす共生病院」と、埼玉県さいたま市にある「OKP with Life クリニック」を運営しております。介護事業は、埼玉県鴻巣市にある「こうのすナーシングホーム共生園」と、埼玉県上尾市にある「あげお共生の家」をそれぞれ運営しています。
新さんはどのような業務を担当されていますか?
新: 私はもともと放射線技師として埼玉県内の病院で働いていたのですが、縁あって2020年9月に社員として鴻愛会に入職し、システム情報管理部署で働いています。主な担当は電子カルテや病院で使うシステムの導入と管理なのですが、入職してから最初の大きな仕事が、新しくこうのす共生病院のWebサイトを作ることでした。
Webサイト制作を任されてから、どのように進めていきましたか?
新: 他の病院のWebサイトをたくさん見ました。「どんなWebサイトが良いのか」「私たちはどんなWebサイトを作りたいのか」を考えながら、おそらく100サイト以上は見たと思います。
候補の制作会社は、私が入職した時点ですでに5社ほどに絞られていました。我々は鴻巣市を盛り上げ、地域密着型の病院を目指していることもあり、埼玉県内の制作会社から選ばせていただきました。
最終的に浅見制作所を選んだ決め手を教えてください。
新: 金額、表現力、対応の速さ、どれだけ私たちの想いに寄り添ってくれるか……様々な要素を考慮しましたが、最終的には、完全に人柄で決めました。
多くの制作会社の場合、その会社自体の理念があり、社員はそれに沿ってWebサイトを作り上げますよね。だから、どうしてもその会社の思いに引っ張られたWebサイトになりがちです。でも浅見さんは違いました。鴻愛会の理念に寄り添いながら、そのままの温度感でWebサイトを作り、表現してくれる印象がありました。それが他の会社とは全く違っていて。
また、浅見さんはアットホームな感じでたくさん質問しながら進めてくれたので、制作を依頼しているというよりは、一緒に作っているような感覚でしたね。
Web制作はどのような流れで進めましたか?
新: こうのす共生病院の新サイトを作るにあたって最初に考えたのは、どんなWebサイトにしたいかです。今までのWebサイトはただ情報を提供するだけのものだったんですね。そうじゃなくて、もっとユーザーが使いやすいものを目指しました。例えば、具体的な悩みを解決したい人向けにチェックリストを作るなど、そういったアイデアを浅見さんに伝えました。その上で、他の病院のサイトを見ながら、どういう構成がいいかを一緒に考えました。
制作するにあたって、大変だったことはありますか?
新: Webサイトを見たとき、訪問した人が求めている情報が過不足なく載っているようにしたかったんですね。となると、既存のサイトに掲載されている情報を遥かに上回る情報量が必要だったんです。
けれど、私は当時入職して6ヶ月で、担当する放射線部門以外の部門についてはよく理解できていなかったんです。そのため、それぞれの部門や外来に行って、サイトにどんな内容を載せればいいのか、職員の思いを聞きながら内容を決めました。
その最初のコンテンツ集めは本当に苦労しましたね。けれど、その苦労のおかげで、各職員の想いが詰まったサイトができたので、良かったです。
浅見: 理事長からは、ブランドを一新し、「地域に寄り添う病院」という打ち出しをしたいということ、そして基本理念である「共に生きる」というメッセージを伝えたいという意向を伺っていました。だからこそ、職員の方々や患者さんの顔が見えるようなサイトになるよう、コンテンツに反映していきました。
制作を進める中で感じた浅見制作所の強みはどういった点ですか?
新: 浅見さんはめちゃめちゃフランクで何でも相談しやすい。それに、ざっくりとした思いを話すと、それを汲み取ってアウトプットに落とし込んでくれるんですよ。それが大きな強みでした。そうでなければ、共生病院はじめ法人サイトや採用サイトなど、5つものサイトを作るのは無理だったと思います。
それだけの規模になると、普通は業者に全部任せてしまうような数ですし、こちらの熱意も正直持続しにくい。でも浅見さんとは一緒に作り上げる感覚が強かったので、やり切ることができました。
また、浅見さんは私たちにページ作成の権限を渡してくれたり、撮影した写真データも自由に使っていいですよと言ってくれたりしました。それもありがたかったですね。
浅見: 個人的には、撮影した写真に制限をかけて、他で使いたい時に都度お金をもらうより、自由にたくさん使っていただく方が僕自身のモチベーションになるんですよね。実際、受付のサイネージをはじめいろいろなところで使っていただいているのを見ると、すごく嬉しいです。
新: 距離感がいち制作会社ではなく、鴻愛会の職員みたいなんですよね(笑)。浅見さんは、私たちの想いを形にしてくれる人です。
5サイト制作したとのことですが、こうのす共生病院のWebサイトの制作後、追加で依頼した経緯はどのようなものでしたか?
新: 完成したこうのす共生病院のWebサイトが、みんなが納得するものになったんです。だから、次も浅見制作所しか考えられなかったんです。
ただ、新規でサイトを作るOKP with Life クリニックは、まだ開院前の制作になることから、できるだけコストを抑える必要があったんですね。なので、他の制作会社を検討するように言われたんですが、絶対に浅見さんにお願いする方がいいと強く思い、最終的に依頼することができました。
浅見: 新たに依頼いただいたのは、法人サイトのリニューアルとOKP with Life クリニックの新規サイト制作でした。ただ、法人サイトの方は介護事業やリクルートなどが混在して正直わかりにくかったんですね。そこで、話し合いを重ね、最終的に「鴻愛会法人サイト」「介護事業サイト」「リクルートサイト」の3つのサイトに分けるという提案をさせていただきました。
新たに他のサイトを制作することになり、大変だった点や印象に残っているコンテンツはありますか?
新: 介護事業のサイトについては、ずっと医療事業に携わっているので、介護についてはほとんど知識がありませんでした。そこで、介護部門の施設事務長に相談し、どのように表現したいかを聞きながらコンテンツを作っていきました。
採用サイトは、実際に働くスタッフの経験や表情を通して、訪れる人に疑似体験を提供するようなサイトを目指しました。
そのため、何人かのスタッフにインタビューをお願いしました。はじめは顔出しで載るのが恥ずかしいと言っていた方も、「皆さんが頑張っているから、ぜひ掲載したい」と伝えると、写真撮影時にマスクを外したり、ポーズをとってくれるなど積極的に協力してくれました。患者さんやそのご家族のために楽しく働いている人たちを紹介することで、よりポジティブなイメージを伝えることができたと思います。
浅見: OKP with Life クリニックは、サイトだけでなくロゴも作らせてもらいました。最初は「OKP with Lifeクリニック」単体で使えるロゴを考えていましたが、「OKP」のOは大宮のO、Kは地域名の櫛引のK、最後のPはPeopleのPと、それぞれの頭文字から取ったものだったんですね。となると、もし今後クリニックを複数展開していく場合、ロゴを毎回新規で作らなくてはならず、手間がかかります。
また、この名前の中で一番重要なのは「with Life」の部分、つまり基本理念として掲げている「共に生きる」です。
これらを踏まえて、「with Life」が中心のモチーフとなる展開しやすいロゴを作ることになりました。
新: シンプルなデザインですが、「H」の部分が人に見えるのがいいですよね。正面から見ると笑ってるように、横から見ると2人が手を繋いでいるように見えるんです。
浅見:また、OKP with Life クリニックは開院前で写真が撮れなかったので、イラストを入れることにしました。地域密着型の、親しみやすいクリニックの雰囲気を出すために線画のイラストを採用しました。
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
新:私たちは現在、さらなる拡大を目指し、様々な取り組みをしています。
例えば、パーソナルヘルスレコード(PHR)の導入。これまで病院が管理していた情報を患者自身が管理できるようにすることで、個々の健康管理をより良くサポートすることができます。このシステムを地域の人々にも活用してもらい、医療と介護が充実した地域社会の実現を目指しています。また、病院の待ち時間を減らすために、PHRのクレジット登録システムを導入しました。診察後に即座に帰宅できるようにすることで、患者の利便性を向上させています。これは、病院をコンビニのように、もっと気軽に利用できる場所へと変えていきたいと考えています。
ただ、こういった取り組みは、地域の患者さんや近隣の医療機関、さらには全国の方々に伝わらないと意味がありません。それを実現するためにはメディアを通した広報が必要不可欠です。その点では浅見さんの力を借りる必要があるので、これからもぜひよろしくお願いします。
編集後記
鴻愛会様は、問い合わせフォームから突然ご連絡をいただいたクライアントさまです。初回はオンラインでお話を伺ったあと、ご提案に鴻巣の移転前の病院に伺わせていただきました。
その時、理事長も参加され、非常にお若く、これからこの病院はどんどん良くなるだろうな、と直感的に感じました。その後、Webサイト制作をおまかせいただいてからお付き合いをさせていただいていますが、広報・クリエイティブは二人三脚という形で伴走させていただいてます。私も個人的にガチメニューの人間ドックを共生病院さんにお世話になってます!
胃カメラを飲む時に、とても優しくしてくれた先生・看護師さん。オエっとなっている私の背中をさすってくれた温かい手は今でも忘れられません。
同じように、たくさんの方に寄り添って医療や介護をお届けしているんだなと感じました。
これからもよろしくお願いいたします!