まずはじめに、株式会社スキーマについて教えてください。

橋本健太郎さん(以下、橋本):株式会社スキーマはWeb制作、アプリ開発、デザイン、イベント企画などを行う企業で、クリエイティブ分野における様々なプロジェクトを手がけています。最近では、僕自身がサウナが大好きなので、サウナのプロデュースも仕事としてやっています。

浅見さんとは同じ埼玉県の秩父出身と伺っています。浅見さんを知ったきっかけや、一緒に仕事をするに至った経緯を教えてください。

橋本: 渋谷に事務所を構えてデザイン会社をやっていますが、いつか地元のサイトを作りたいなと思っていたので、「ちちぶる」(浅見が個人で運営していた秩父のローカルWebメディア)を見ていたんです。その後、地元のイベントで浅見さん…いや、あざみっくすって呼んでるので、そのままで呼ばせてもらっていいですか笑?

あざみっくすに会って、「あ、この人がちちぶるの人だ」って興味が湧いて、それからちょこちょこ交流するようになりました。

そんな時、埼玉県の「さいたまつり」のメディアサイトのコンペに声をかけてもらって、Webサイトに掲載するコンテンツを作れる人、取材も編集もできる人が必要……となった時、彼以外にいないと思って。それで一緒に提案して、その案件を受注することができました。

実際に案件を進めてみると、そのプロセスも個人的にすごくしっくりきて。それからはもうあざみっくすのことを信用して、仕事を依頼するようになりました。

具体的にどういった点がしっくりきたんですか?

橋本:プロジェクトマネジメントがすごく緻密だったんですよ。それに加えて、熱量がすごく伝わってきました。例えば、「これから撮影してきます」と言って、5日間も帰ってこないことがあったんですよ。すごいな、と思いました。仕事に対する熱量が見えていたんです。僕たちは依頼する立場でしたが、別にそこまで徹底しなくても案件は成り立つのに、きっと彼はクライアントや僕との関係を考慮して、そういう行動をしてくれたんだと思います。緻密さと、情熱。そのバランスが素晴らしいので、安心して仕事の相談ができるんですね。

「さいたまつり」以降は、どのような案件に取り組んだんですか?

浅見: 横瀬町の「よこらぼ」という事業誘致のプロジェクトがあって、それを冊子にまとめる仕事が2018年にあったんですよ。あとは高島屋さんの案件もありましたね。「よこらぼ」では、編集やコンテンツ作りを任されていて、高島屋さんでは、企画とWebのワイヤーフレームを担当しました。

橋本:最初は編集やコンテンツ制作を依頼してたんですよね。あざみっくすはライターや編集の仕事をしてる認識だったから、ワイヤーフレームの仕事は最初は頼んでなかったんですよ。でも、途中で「あ、ワイヤーもできるじゃん」って気づいてから、お願いするようになりましたね。「さいたまつり」も、最初はうちで構成作って、コンテンツはあざみっくすに作ってもらってたんですけど、今思うと全部お願いすればよかったなって(笑)。

浅見:もともとWebマーケティングの会社で制作会社とWebサイト作りとかはやっていたんですが、それは組織でやっていたので、個人でやるとなると記事制作や写真撮影が多かったんですよね。

今までで、印象に残ってる案件を教えてください。

橋本:「さいたまつり」は本当に印象深いですね。なぜかというと、自分たちのチームで受注できたこともそうですし、いいものを作ったっていう感覚もあります。あれはあざみっくすなしには作れなかったですね。埼玉エリアの特性がわかっていて、記事が作れて、お祭りのことが詳しくて。そんな人、他にいないですよ。

お客さんからの信頼もすごくありました。今でも当時関わった人たちから、彼の仕事が良かったって言われますよ。別の案件で、当時の「さいたまつり」担当の部下の人に会う機会があったんですが、「さいたまつり、すごかったですよね」とか、「浅見さんって方がいたんですよね」と言われるくらい、評判が良かったんです。

5日間取材に出て家に帰らなかったほどコミットした埼玉県庁の案件「さいたまつり」

他に印象に残ってるプロジェクトといえば、宇野常寛さんの「遅いインターネット」Webサイトの案件ですね。これはあざみっくすから相談を受けた案件で、弊社のデザイナーをアサインして、あざみっくすが窓口でデザイナーとプログラマーの調整をしてくれるプロジェクトでした。テレビに出ている宇野さんと仕事をするっていうのが、印象強かったですし、いいサイトができたと思います。

浅見:デザイナーさんがとても優秀で、宇野さんのところにも一緒に足を運んだんですよ。毎回の説明や、どうやって進めるかの提案にも一緒に挑みました。嬉しかったのは、スキーマさん内での振り返りミーティングで、デザイナーさんが面白かった案件に「遅いインターネット」を挙げてくれたことです。僕が初めてスキーマさんにお願いした案件だったこともあり、印象深いですね。

「読みやすさ」をとことん重視する宇野常寛さんのこだわりを追求するために、画面遷移やテキストのマージンなど、さまざまな観点で検証を繰り返した

橋本:横瀬町のWebサイトも良かったですよね。以前から「よこらぼ」や「はたらクラス」といった地域のプロジェクトを手掛けていたので、プロポーザル的な形で参加し、担当させてもらうことになりました。

あざみっくすはサイトの企画設計、コンテンツのトータルプロデュースなど制作のディレクションを仕切り、僕は数字周りや営業的な部分、プロデューサー的な役割を担当しました。

橋本:あざみっくすがすごいなと思うのは、常に提案し続けているところなんですよね。行政の仕事は予算編成が年に一度なので、それを逃すと予算確保が難しい。だから、多くの人は「お金がないから諦めよう」と考えがちですが、あざみっくすはまず「やるべきこと」を先に決めて、その後で「どうやって実現するか」を考えるタイプです。予算が限られていても、どのようにプランを練り、資金を捻出するかについて常に考えているんですよね。

反対に、いくら予算があっても、本当に必要なものでないなら、やらなくていいというスタンスです。それが素晴らしいなと思いますし、信頼できます。

浅見:僕は「ヒロ建工」の案件ですね。所沢の工務店さんで、ブランディングからWeb制作まで、全般的にディレクションを担当させてもらいました。お客さんから来る要望に対して、フロントに立って対応する役割を任せてもらったのが、初めてだったんですよ。通常、外注先としては、お客さんのフロントに出ると、見積もり外の話に広がるリスクがあるんですが、そのポジションを任せてもらえるのは、僕にとってはすごくありがたいし、やりがいがありました。

橋本:安心して任せていますね。最近思ったんですが、あざみっくすの案件はほとんど僕は手を出さないんですよ。そのほうが案件が繋がったり、追加の仕事が生まれたりすることが多いんです。

Web制作会社としての浅見制作所のポジションを、どのように捉えていますか?

橋本:ビジネスレイヤーで考えると、我々のような会社から発注する際、プロジェクト全体をビジネス視点で考えられるパートナーはなかなかいないんですよ。そういう能力は経営者レベルでないと難しいですから。

例えば、一般の制作会社では、Webディレクターはサイトのディレクションしかできないんですよ。でも、浅見制作所は、トレンドや社会動向を踏まえた提案ができる。そういう視点で話せる人はほとんどいないんです。それは大きな強みで、他社にはない特徴ですね。

加えて、あざみっくす自身が何でもできる、というのも大きな強みです。記事も書けるし、写真も撮れるし、動画制作もできる。そんな人はなかなかいませんよ、普通は。

最後に、今後の展望について教えてください。

橋本:浅見制作所とはお金上は受発注の関係ですが、一緒に稼いでいこうという関係ですね。仕事以外のところでも大きく取り組んでいこうと思っています。案件単位ではなく、パートナーとして、お互いのビジネスがスケールできるように取り組んでいきたいですね。そういう相談を随時しています。うちの経営上の課題や悩みも話していて、アドバイスをもらったり、思ったことを率直に言ってもらえるので、非常に助かっています。

浅見:最近は、スキーマさんの新しいツールの勉強会やサイト作りの勉強会にちょこちょこ参加しています。そこでは、誰が教えるとかではなく、みんなで「こうやるといいね」という感じでやっていますね。それって仕事の範疇じゃないと思っているんです。お互いの知識を共有しあって、学んでいく。それによって、よりスキーマさんのチームはクリエイティブになり、僕の仕事のクオリティもアップしています。

普通の業務委託では、教育や勉強会をすることはないですよね。でも、そこを一緒にやっているのが嬉しいですし、結果的に両者にとってプラスになっているんです。こういう形でお互いを高めあっていけば、より良い案件につながったり、効率アップに繋がっていくんじゃないかと思っています。

クライアントプロフィール

橋本 健太郎 さま

ディレクター経験を活かしつつ、スキーマのパフォーマー(=営業)として大手メーカーのUX周りやアパレル企業のECサイト構築など数多くのプロジェクトに携わる。機動力と柔軟性が高いのが特徴。