地方を変える、デジタル世代の「地域商社2.0」

「地方で面白くしていきたい!」と、そんなことを日々考えているのですが、ずっと頭の中にあった構想の一つに『地域商社2.0』というものがあります。

年度末の荒波を乗り越えたいま、せっかくなのでしっかりと言語化し、浅見制作所も『地域商社2.0』をがっつり目指していこうと思うので、そんなことをまとめておきます。

 

『地域商社2.0』とは情報の媒介者。地域で情報の発信と受信を担う

従来の「地域商社」とは、地域の特産品や観光資源を国内外に売り込む企業や団体をさします。

一方で、今回やろうとしている『地域商社2.0』とは,

ネット時代における新しい地域商社の概念。扱う商材は“情報”であり、インターネットを使い、地域の情報の発信を行うと同時に、都会の最先端の情報や他地域の情報を仕入れ、浸透させる役割を持ちます。

なぜこのような、役割が必要と考えたか…あらゆる地方に伺ったり地域のプレイヤーの声に耳を傾けると、こんな言葉を聞くことが多いです。

 

「地方は5年遅れている、情報も人も物も」

 

『地域商社2.0』は情報の媒介者(カタリスト)

インターネットやスマホが普及した現代。どんなど田舎にいようが、ネットに繋げば、最先端の情報や最新のファッションなど、いくらでもリアルタイムで得ることができるます。でも、これだけインフラが整っているにも関わらず、なぜ地方は遅れていると言われてしまうのか。

それは、地方に「情報の媒介者(カタリスト)」がいないから、だと思っています。

媒介者(カタリスト)とは、いわゆる“なかだち”をする人で、何かを広めるために動きまわるハブ機能を持った存在。地方にはこの機能が圧倒的に足りていないと思うんです。

 

1つの例をとってみましょう。

ネットで「ブロックチェーン」と調べれば、アホなくらい情報が溢れていますが、これが「地域の経済圏を変えるとんでもなく素晴らしい技術である」ということを理解している地方の人は少ない。

地方の人が知るべき最先端のテクノロジー情報は、地方には全く浸透していません。

情報が行き渡るための物理的なインフラがあるにもかかわらず、です。

まあ、ブロックチェーンは極端な例ですが、東京→地方という情報の伝達(浸透・理解という意味で)に数年かかるのは、まぎれもない事実です

そういった地方における重要な情報を仕入れ、咀嚼し自分の地域に伝え、最先端を知る「選択肢」を作る役目が「情報の媒介者(カタリスト)」であり、これを『地域商社2.0』が担います。

※「選択肢」としたのは、この考えを押し付けたくないから。地方には、今のままで幸せ、という人もたくさんいます。僕らは面白いことを「選択肢」として提示し続けられる存在であるべきだと思っています。この辺りは、以下のブログにもまとめているのでよかったらあわせて読んでみてください

「地域活性」は本当に良いことなのか。向き合った先に見つけた「選択肢を生み続ける」ということ

 

「地域商社2.0」は地域の魅力を編集し発信するメディア

これは僕自身が秩父をフィールドとしたローカルメディア「ちちぶる」を運営してよくわかったことなのですが、地方には発掘されていない(ちゃんと伝わってない)魅力というのが、死ぬほど埋まっています

地域活性というと多くの地域や自治体が「新しい特産物を作ろう!」とか「ゆるキャラを作って盛り上げよう!」とか、どうしても新しいものを作り出すアプローチをとりがちです。

でも違うんですよね。人々が求めているのは。新しい物ではなく、もともとその地に存在した“独自性”を持ったコンテンツなんです。

その場所でしか食べられない、みられない、体験できない、といった“独自性”に価値を感じるのに、それが実現していないのが現状です。

これは何が原因かというと、「コンテンツの編集」と「発信」のふたつが足りていないのが課題です。

 

地域のコンテンツを編集する

わかりやすい例でいうと、“独自性のあるコンテンツ”を編集して、リブランディングするというのも一つのアプローチ

この手ぬぐいは、秩父の老舗染物屋さんである「齋藤染物店」さんとちちぶるがコラボして作った手ぬぐいです。「秩父の方言」「秩父のおっさん」という“独自性”を持ったコンテンツに、イラスト・デザイン・企画を掛け合わせて、新しく作り出したプロダクトです。

地域の“独自性”というものは、なかなかアクが強く、そのままでは魅力や面白さが伝わりづらいものです。

秩父の方言ってネガティブな言葉が多いので、そもそもキャッチーにはなりづらいんです。京都の「おいでやす〜」とか「おおきに〜」みたいな、ほっこりする方言ではなく「うちゃる(捨てる)」「ひっちゃく(破る)」みたいな言葉ばっかりw

さらに「おっさん」という、これまたアクの強いキャラを上乗せしたのですが、普通ならここまで振り切るとコンテンツとして、受け入れてもらえなさそうですよね(笑)。

そこで必要なのが『地域商社2.0』の編集力。“独自性”のあるアクの強いコンテンツをいかにして人々にとどけるかを考えます。企画とデザインを加え、アクの強いコンテンツをキャッチーにすることで、“独自性”が人々に届くようになるものです。

こうした編集や企画を行い、その魅力を最大限引き出し、メディアを通して人々に“等身大”で情報を伝える。これも『地域商社2.0』の重要な役割の一つです。

 

地域同士の連携を作り、地方だけの経済圏を作る

『地域商社2.0』のもう一つの大きな柱として、地域同士の連携による地方だけの経済圏創出があります。

『地域商社2.0』は全国のあらゆる地域に必要な機能で、これらが横につながる事で、情報・モノ・人を東京を介さず地方だけで流通させる事ができると思うんです。そんなことは昔から考えていたって?いやいや、ホームグラウンドを持ったローカルのプレイヤーが直接各地のプレイヤーとつながる事が大切なんです。

自分の地域で活躍している人同士が、自らの力で“直接結びつく”事で、はじめてその血の通った流通を起こす事ができるんです。

「地域と地域、人と人を繋いでプラットフォームを作る」みたいな世界観て割と簡単に描けるんです。よくある例の一つが、有機野菜の生産農家さんと消費者を直接つなぐプラットフォームを作る、みたいな話。この構想、何十人って人から聞きましたね(笑)

でもちゃんと実現できている人がいない。(メディア文脈で言えば「食べる通信」とかはすごい素敵な感じで実現していると思います)

これ、なんで形にならないかというと、作るプラットフォームに血が通っていないからなんです。

血が通うってどういうとこか。プラットフォームのど真ん中に、その場にコミットする「人」がいるってことです。その人がその場所にいることで、プラットフォームに血が巡るわけで。

プラットフォームの仕組みが恐ろしく画期的、びっくりするくらいの資金がある、という条件であれば、これに限りませんが、基本的にスモールスタートでプラットフォームを作るには、この人柱が絶対必要なんです。その人が心臓なんです。人は人にしか魅力を感じないんです。

『地域商社2.0』は、そんな血の通ったプラットフォームになる気がするんです。泥臭い動きをしているローカルプレイヤー同士がつながる事ほど強いものはありません。実践者は経験もノウハウも人柄も違うんです、ほんと。こうして地域同士を繋げて、リソースや案件を一緒に地方だけで完結させるイメージですね。

最近、秩父だけでなく、他地区の仕事が結構増えております。各地区のローカルプレイヤーからWebサイト作れませんか?とか、Web記事作れませんか?とご依頼をいただくのです。

今まで東京に一極集中していた仕事が、地域商社2.0の存在により、地域同士で仕事を完結させられるのです。

こうして『地域商社2.0』は“東京を介さない地方だけの独自経済圏”、というのを作ることができるでしょう。

 

『地域商社2.0』をどのようにして展開していくか

近いうちに、オンラインサロンという形で地域商社2.0が集う場所を作ろうと思っています。

月額課金でお金を集めますが、このお金は地域商社2.0メンバー同士の地域を回る交通費に使ったり、イベントを行ったりと、そういった資金にする事が目的で、オンライン上で地域商社2.0が常に集うことにより、地方だけの経済圏をオンライン上に作るイメージです。

「〇〇市からこんな案件があるんですが、一緒にできるかた!」とか「〇〇県にみんなで合宿してワークショップしましょう!」とか。

そうやって、地域商社2.0が各地域のハブの役割を担い、リソースや情報をガンガンネット上で流通させる。やっぱり、ローカル文脈の仕事をしていると、地域にお金が落ちるように…って取り組みたくなりますよね。

でも僕は違うと思うんです。インターネットの普及により、もはや地域はボーダレスになるべきだと思うんです。

リソースを全て解放して、インターネット上に地域に縛られない独自共同体を作れば、それはしっかりと機能する独自経済圏だと思うんです。

 

今までも、同じような構想を考えた事がある人はゴマンといるでしょう。でも、地域商社2.0は中央集権・トップダウンではなく、地域の実践者がボトムアップで行う構想なので、作り上げられるこのコミュニティには必ず血が通います。断言します。

こんな構想に賛同いただける方がいれば、一緒に地方を面白くしていきましょう!

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