ここのところ、ずーっと考えていたことの一つに、
「面白い」と思っていることにお金が介入すると全然面白くなくなる、というものがありました 。
その文脈で、先ほどこんなツイートを。
対価に工数(手間・労力)を合わせにいくと、圧倒的に仕事はつまらなくなる。
対価は結果論ぐらいがちょうどいい。
その方が、楽しくパフォーマンスも上がるのは間違いない。
— 浅見ゆたか@地域商社2.0 (@azamixx821) 2018年4月22
そう。人は、最初から対価が決まっていると、その対価に合わせて割く労力を決めちゃうんだなって思ったんです。このお金しかもらっていないから、これだけの時間におさめなくちゃ…みたいに、僕もずっと時間単価への執着がぬぐえませんでした。
でも一方で、「面白い!」と思うことには、いくらでも時間を割くという事実もあったんですね。
これらのことをぐるぐると考え続けていた中で、3月に行った革命のファンファーレ1万部プロジェクトで一つの確信をえました。
そんな話です。
対価ありきはパフォーマンスに天井を作る
3月に行った1万部プロジェクトは、半年以上の期間(多分150時間以上をかけてw)リーダーとして徹底的にコミットしました。そして、この役割に対し、お金は一銭ももらっていません。というか色々持ち出しだったんじゃないかなw
総括的に色々なことを考えていた一つの気づきとして「お金をもらってたらここまでやらなかったな」ということ。
最初から「対価」の概念がなかったので、とことんこの面白い企画を楽しく遊び倒してやる!というモチベーションで、本業が危うくなるほどコミットして走り抜けました。
結果、Twitterのフォロワーも大幅に増え、企画運営の主体であった箕輪編集室の仲間からは、多くの信頼を得ることができました。最高の経験だし、お金では絶対手に入らない貴重なものを手にすることができました。
これが、最初から対価ありき、だったらどうだっただろう。そんなことを考えたんです。
仮に僕のポジションの対価を、プロジェクトとの最初に試算したとしたら、全体の予算から考えても、10万円くらいの対価で計算しただろうなと思います。(半年で150時間以上かけて10万円だったら、時給換算666円ですからねw)
で、これが頭から決まっていたとしたら…おそらくこの金額でおさまる動きしか取ろうとしなかったのかもしれません。
つまり、対価が決まることはかける労力の天井を決めてしまうことなんだと思います。天井が決まるから、さける労力も少なくなり、結果的にパフォーマンスが下がる。(このことは、コルクの佐渡島さんもおっしゃっていて、すごく腹落ちをした覚えがあります)
お金が介入しない方が、より良いものができ、より楽しく仕事ができるんじゃなかってことに気づいたんです。
対価なんて最初から考えると、その対価を守ろうとしてクリエイトする脳ではなく、ディフェンスの脳で動くことになります。
ディフェンスって超つまらないですよね。最初からできる範囲が決まっちゃってるから、それを超えるものは「無理」「できません」になっちゃうから。
だったら、そんな枠、最初から作らない方がいいんですよ。対価に縛られず「面白い!楽しい!」という気持ちを最大限解放できる状態が、もっともパフォーマンスが上がる。結果仕事が楽しくなるわけです。
ディフェンスの仕事では何も生まれません。本当に面白いと思えることについては、対価は結果論でいいんだとおもいます。
「対価は結果論」で生み出した価値は信頼になるから損はしない
さて、そんな理論を展開すると、決まって「とはいえ、生活があるじゃないか!それはどうするんだ!」って話が出そうですよね。僕もこの点はずっと考えていて、最適解にはたどり着けていません。
まだ時代が追いついていないんだと思います。もう少し時間がかかります。
「面白い!楽しい!」で、青天井でやる仕事の大半は、圧倒的にパフォーマンスが伸びるので、結果論でも対価以上の価値を産むと思います。
「対価以上のアウトプットしたら、損じゃないか!」そう思われる方もいるかもしれません。
でも、違うんです。対価以上のリターンは「信頼」として得ることができるんです。お金じゃなくて「信頼」が稼げているんです。このことに気づくことがとっても重要。
「信頼」はほかの案件の紹介に繋がったり、リピートに繋がったり…はたまた、自分が困った時の助けになるかもしれない。お金では買えない価値を、信頼では得ることができるんです。信頼はキャッシュ以上の価値を持ちます。
だから、モチベーションありきで動いた仕事で、たとえお金が少なくても、「信頼」というリターンをしっかりと受け取れる。
とはいえ、残念なことに僕らが生きているのは資本主義社会。全てこの考えかたで生活が成り立てば良いのだけど、もう少しそれには時間がかかりそうです。
でも、確実にこの「信頼」で生活ができる評価経済圏というのができていきます。(この辺りは佐藤航陽さんの「お金2.0」にがっつり腹落ちの内容が入っているので、ぜひ読んでみてください)
クラウドファンディングが成長しているのも、この評価経済が少しずつ浸透していきているからなんですよね。信頼がお金になる。ほんとそれだけ。
少しずつでも、この価値観で働く、ということにチャレンジして行ってもいいかもしれません。そうしたら、やりたくない仕事じゃなく、やってて楽しい!面白い!って働き方ができると思いますよ。