昨年12月の独立から、丸一年が経ちました。
主力事業のWebサイト制作は割と順調に数字を伸ばしまして、その要因の一つに「受注単価の引き上げのチャレンジ(試行錯誤)」があったと思っております。
具体的には、独立して一番最初に手がけさせていただいたWeb制作案件は4万円(モニター価格)。現在は約30万円前後で対応させていただいています。(もちろん、全くサービスをやっているわけでなく、最初の頃より付加価値はついていますよw)
受注単価の引き上げでとても重要なのが「見積り」です。特にWeb制作やデザインなどのクライアントワーク(お客さんがいて、見積りを提示して行う仕事)では、この「見積り」をどのように行うかによって、受注単価は変わってきます。
今日は、そんな僕なりの「見積り術」をご紹介したいなと。これで、適正な価格で仕事ができる人が増えたらいいなーと、切に願っております。
「見積り」の大前提!大切にしたい心構え
具体的な手法に入る前に、とても大切なことをお伝えしておきます。
ここで紹介する「超見積り術」は、決して「お客さんを騙して儲ける」みたいなことではありません。
見積りとは「適正な価値とお客さんのニーズをすり合わせる対話」だと思っています。
しっかりとしたサービスをちゃんと提供し続け、その価値を適正にお客さんに評価いただく。そしてその価値とお客さんのニーズをすり合わせる。たったそれだけのことです。そんな大前提をぜひお忘れなく、当記事を読んでいただければと。
「超見積り術」4つの鉄則
ということで、早速見積りについてどのようなポイントがあるかをお伝えしていきます。今回は4つの鉄則に分解して説明しようと思います。
鉄則① お客さんの予算感を把握する
まずは、お客さんがどのくらいの金額なら出してくれそうか、を把握することがとても重要です。
皆さんも買い物をするときに、なんとなく頭の中で「いくらくらいで買いたいな」みたいな予算感ってあるじゃないですか。それをしっかりと見積り前にヒアリングしておくイメージです。
といっても、これを聞き出すのがなかなか難しいw
人間関係のある相手ならストレートに聞けてしまうかと思いますが、初めて接するお客さんだったりすると、ある程度対話が必要になります。なので、お客さんのヒアリング時に、色々な角度で質問をすると、予算感が見えて来ることが多いです。
例えばWebサイト制作なら、
- 以前はおいくらくらいでサイトを作られたんですか?
- 他の方に見積りは取られてますか?どんな感じの金額でしたか?
- ご予算は決まってらっしゃるんですか?
- お伺いした内容だと、詳細によって変動しますが、おおよそ○○万円くらいですが、どのくらいのご予算を考えてらっしゃいますか?
みたいな感じで、予算を聞くにしても枕詞を使ったり、他ではどうかとか以前はどうだったか、といった質問がとても有効です。
これでおおよその予算感がつかめれば、全く当てずっぽうで的外れな見積りをしなくて済みますw
鉄則② 見積り項目を細分化し、お客さんのニーズに合わせられるようにする
次に大切なのが、見積り項目の細分化。
例えば、ホームページ制作 一式50万円!っていわれて、「うーん、そんなもんなもんなのか〜」って納得してもらうより、見積り中身がどうなっていて、なぜ必要なのかを理解してもらうと、お客さんも安心して発注ができますよね。
また、見積り項目が細分化されていると、お客さんにとって必要なもの・無駄なものが取捨選択できるようになり、結果、お客さんにとってもメリットになります。
こんな感じで、Web制作一式いくら!って雑な見積りをするのではなく、どんな作業があって、それぞれどのくらいの金額か、がわかるのがベストです。
これをもとに、お客さんと対話して、項目の取捨選択をすれば良いんです。
上記の見積りなら、「保守・更新は3ヶ月で良いかなー」とか「コンテンツ(テキスト提供)はクライアント側でやるから大丈夫」と言った感じで、お客さんに任せられるところは任せて、こちらでできるところに絞らせてもらうのが大切です。
こうやって、中身がわかっているとお客さんも安心しますしね。「Webサイト制作ってそんなもんなのか〜」って、モヤっと納得されるより、満足度も高くなりますよ!
鉄則③ 自分の見積もりに自信を持ち、丁寧にお客さんに説明すること
提出する見積りは、360度どこから突っ込まれても根拠を説明できるようにしましょう。自分はその業界・サービスではプロかもしれませんが、お客さんは素人であることが多いです。
しっかりと、「どんな作業をいくらでやるか」、そして「それがなぜ必要か、お客さんにとって必要なことか」を淡々と説明できないと、お客さんも不安になりますよねw
丁寧に説明をすることで、「なぜそれをやるのか」を深く理解してもらうことができます。結果、受注後もやることや金額が明確に理解してもらえているので、実際のアウトプットとお客さんの期待値のギャップを少なくすることができます。
意外とこの見積り説明をおろそかにしている人も多いんですよね。「だいたいこんなもんですw」って雑な説明をしている人は信用しないようにしましょう。そういう人は仕事も雑ですからw
鉄則④ 根拠のない値引きを“絶対に”しないこと
全フリーランスに伝えたいことがこれです。
「もう少し安くならない?」って言われて
「はい!ではいくら値引きします!」って答えちゃうパターン。
こうすれば、仕事は受注できるかもしれませんが、実は大きなデメリットもがあります。
それは、
- 要望を言えば、なんでもやってくれると思われてしまうこと
- 値引きに根拠がないと、最初に提示した金額はなんだったの?という不信感につながる
と言った点です。
お客さんの要望に最大限応えることはめちゃくちゃ重要なことです。むしろ、とことんお客さんのニーズを満たすべきです。でも、自分の身を削ってニーズを満たしていたら、自分がすり減っちゃいますw
自分をすり減らさず、いかにお客さんのニーズに応えるか。そこはしっかりと向き合うべきです。
また、値引きの根拠がいないというのはとても危険です。
自分がお客さんの立場に立ってみればとてもわかりやすくて、最初10万円って言われてたものが、提供サービスがそのままで5万円になっていたら…「え、最初の金額、なんだったの?」って気持ちになりませんか?
もちろん「やった!得した!」って思う人もいるかもしれませんが、「最初の金額でOKしてたら、その金額だったの?ぼったくろうとしてたの?」という不信感を持つ人も少なくありません。
こういった、根拠のない値引きをしないためにも、鉄則②の「見積り細分化」が重要なんです。
値引きが必要なら、細分化された項目の中から削っていけばいいだけ。そうやって、お客さんに納得してもらいつつ、値引きを達成することがとても大切です。
いかがでしたでしょうか?
僕も独立一年はこれらを徹底して試行錯誤してきた結果、単価を7倍以上にできたので、それほど間違っていることではないかと思います。
とはいえ、ぶっちゃけお客さんや提供するサービス、シチュエーションによって、見積りの仕方は変わってきます。なので、個別に色々と話せるのが良いんですよね〜
「フリーランスのための見積り&営業講座」でもやろうかしらw
そんなことを考え始めています!「ぜひやってほしい!」という方がいれば、ご連絡ください!