8月5日、自分が主催の一人として参加している「オンラインフェス2017 夏」が終了しました。主催…といっても、今回は他の仕事で全く身動きができず、事前の準備含めほぼ関われなかったのですが…
その節は、運営メンバーの皆さんにご負担をかけてしまい、すみませんでした。
さて、このオンラインフェスですが、参加費が少し面白い構造になっていまして、今日はそんな話をしようかと。
※オンラインフェス=ビデオチャットツールZOOMを使って、様々なワークショップやセミナーなどを一日中オンライン上で行うイベント。一日にそれらが一堂に会するため、フェスに見立てて「オンラインフェス」と名付けた
「投げ銭」の選択が生んだ結果
オンラインフェスは、今年1月に開催された第一回から、参加費を「投げ銭」で設定しています。
※「投げ銭」=運営側で決められた金額を支払ってもらうのではなく、体験して感じた価値の分だけお金を支払ってもらうシステム
実は、参加費を「投げ銭」にするまでは、色々な議論がありました。
「やっぱり新しい取り組みだがら、初めは無料の方がいいんじゃないか」
「いやいや、500円だけでも良いから参加費を取った方がいいんじゃないか」
「いろんなワークショップがあるんだから、3,000円くらいが妥当だよね、でもそんな金額では参加してくれなそうだよね…」
そんな議論を運営メンバーで何度も行いました。
そんな中、もう一人の主催である田原さんより、「投げ銭」でいってみよう、という提案がありました。
その意図は、サービス提供者が価値に対する対価をつけるのではなく、参加者が感じた価値を対価で表してもらう、ということ。確かに、僕らの生きている世界では、モノやサービスに対して、初めから提供者が値段を決めています。
でも、本来であれば、価値の受け取り方は人によって異なるし、それを軸にした時に対価も当然変わってくるなと、やけに腑に落ちたのを覚えています。
そうして、「投げ銭」を参加費としてオンラインフェスはスタートしました。
するとどうでしょう。結果的に、第一回は40万円近くの「投げ銭」が集まったのです!一人当たりの金額で言えば、3,500円程度。
実験といえども、この結果にはさすがに驚きました。
無料で開催すべきかどうか、と悩んでいた企画が、価値と対価の判断を参加者に委ねた結果、40万円もの金額となったのですから。お金や価値について、根底から考えさせられる、結果でした。
「価値ありきの対価」時代を迎える
このオンラインフェスの「投げ銭」からわかることは、「価値ありきの対価」の時代がくるということ。つまり、お金は結果論になるということですね。
先に述べたように、このサービスはいくらですよー、と提供者側が勝手に価値を決めるのではなく、サービスを受けた側が価値をどのように感じ、それに対して対価をどれだけ支払うか、という対価ありきの価値ではなく、価値ありきの対価、が成立つということ。
極端なことを言えば、ホテルには無料で泊まるけど、そこで感じた価値を最後に対価として払う、そんなことが成り立ってしまうということですね。
実はこの流れは局所的なものではなく、各所で起こっていることなんです。
例えば、キングコング西野さんの絵本を無料公開した件。あれも、価値を先に提供し、その結果売り上げが伸びる、という対価が結果論であった証拠。
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だから、これからの時代は、対価ありきの価値提供は終わりを迎え、価値提供から対価が結果論としてついてくる。そういう構造の世界になって行くのかもしれませんね。
「価値ありきの対価」時代、どのように生きるべきか
「価値ありきの対価」となる世界では、提供した価値に対して、対価を受け取るには時間がかかる場合があります。
そうした時、今までの考え方なら、この仕事はいくらだからやる・やらない、という判断がそもそも成り立たない。
先に対価を得られることを信じて、自分がモチベーション高く「やりたい!」とか「やってて楽しい!」ということで価値を生み出し続けることなんじゃないかなと思います。
いや、もっというと先に対価を得ることなんか信じない方が良いかもしれません。
「やりたいことで価値を生み出す」こと自体、大きな価値なので、結果論で言えばそこにお金は発生していきますからね。
幸いにして、「polca」や「valu」など、個人を応援する仕組みが整ってきており、ここまで述べたようなことは実際に起こりやすい時代に突入し始めています。
とてもとても面白い時代ですね。
このパラダイムの変革は見逃せないものだと思います。ワクワク!